草野なつか 長編初監督作品『螺旋銀河』

第14回ニッポン・コネクション ニッポン・ビジョン審査員賞受賞
SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014 監督賞/SKIPシティアワード受賞

草野なつか 長編初監督作品『螺旋銀河』

<上映スケジュール>
4/11(月曜)から4/14(木曜)
4/18(月曜)から4/21(木曜)
1st.19:00 2st. 21:00

<予告編>

石坂友里 澁谷麻美 中村邦晃 恩地 徹 石橋征太郎

脚本:高橋知由 草野なつか 統括プロデューサー:城内政芳 音楽:上野紘史 撮影:岡山佳弘
照明:田上直人 録音:島津未来介 助監督:滝野弘仁 花山奈津 ヘアメイク:小野寺里紗
整音:黄永昌 編集:鈴尾啓太 草野なつか 制作:今田恭輔 徳元優太 佛木雅彦
助成:第10回シネアスト・オーガニゼーション・大阪(CO2)
日本/2014/カラー/73分/16:9/ステレオ 配給:リトルモア/ヨアケ littlemore.co.jp/rasenginga/ 宣伝美術:井上嗣也

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映画界にまたひとり、新たな才能があらわれた。

期待の女性新人監督、草野なつか。彼女の長編デビュー作品『螺旋銀河』はドイツ・フランクフルトで開催される欧州最大の日本映画祭、第14回ニッポン・コネクションで審査員賞を受賞。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2014では長編部門の監督賞とSKIPシティアワードをW受賞する快挙を成し遂げた。井口奈美やタナダユキ、横浜聡子、更には安藤桃子や山戸結希と、昨今女性監督の個性と活躍が並列的に語られがちな映画界において、草野なつかの作家的特質としては、シンプルで丹念な、ややもすれば王道的ともいえる語り口の「強さ」が挙げられるだろう。いかに目には見えない感情を映し出すか。その命題に向かう強度のある描写は未来の映画への確かな前進を感じさせ、著名な評論家や映画関係者の心を動かした。いち早く映画評を寄稿した方々を始め、配給を決意したリトルモア(『まほろ駅前』シリーズ、『舟を編む』)、そしてこれまでの上映で本作を見て頂いた観客の熱い声援により、ついに正式劇場公開が決定した。

綾と幸子。あなたが出会う二人の濃密な世界とは。

シナリオ学校に通う綾(石坂友里)の原稿が学校課題のラジオドラマに選ばれるが、共同執筆者を立てることが放送の条件だと言われる。嫌がる綾は、偶然言葉を交わした会社の同僚・幸子(澁谷麻美)のおとなしい性格に目をつけ、共同執筆者に仕立て上げようとする。地味な自分とは違う華やかな綾に憧れ近づきたいと思う幸子、美人だが自分本位な性格が災いして人間関係を構築できない綾。対照的な二人の関係による”ラジオドラマの共作”は、やがて彼女達を奇妙な空間へと誘うが・・・。現実と非現実の狭間に迷い込むような不可思議な体験。その珠玉のクライマックスが草野監督への期待と映画への喜びを感じずにはいられない、映画史に刻まれる73分の新たな1ページ。

<STORY>

美人だが自分本位な性格で友だちのいない綾(石坂友里)は、OL勤めの傍らでシナリオ学校に通っている。ある日、綾の原稿が学校課題のラジオドラマに選ばれるが、今のシナリオでは不十分で共同執筆者を立てることが放送の条件だと講師に言われてしまう。負けず嫌いな綾は、会社で偶然言葉を交わした同僚・幸子(澁谷麻美)の地味でおとなしい性格に目をつけ、共同執筆者に仕立て上げようとする。華やかな綾に憧れ過剰に接近して行く幸子は、綾と同じような服装をして行きつけのカフェに突然現れ、さらにはラジオドラマのシナリオにも「役に立てれば…」と口を出すようになる。そんな幸子を鬱陶しく思う綾。そして二人のことを知る寛人(中村邦晃)の出現により困惑を深める綾と幸子の関係性は、シナリオ朗読によるラジオドラマの収録を通して、思いもよらぬクライマックスへとひた走る―。

<プロフィール>

草野なつか(監督・脚本)
草野なつか
1985年生まれ。神奈川県大和市出身。東海大学文学部文芸創作学科卒業後、映画美学校12期フィクションコースに入学。在籍中から自主映画制作に参加。2014年CO2助成作品『螺旋銀河』で長編映画監督デビュー。SKIPシティ国際Dシネマ映画祭にてSKIPシティ・アワードと監督賞、第14回ニッポン・コネクションでは審査員賞を受賞。本作が初の劇場公開作品となる。

高橋知由(脚本)
1985年生まれ。2010年日本大学大学院芸術学研究科修士課程修了(映像芸術専攻)。大学在学中からシナリオを学び、卒業後は自主制作映画にスタッフとして参加する一方、ホラー系OVやウェブ配信ドラマなどのシナリオを書く。映画監督の濱口竜介・野原位と結成した脚本ユニット「はたのこうぼう」のメンバー。主な脚本作に『不気味なものの肌に触れる』(監督:濱口竜介)、『最後の命』(原作:中村文則 監督・共同脚本:松本准平)など。

石坂友里(澤井綾役)
1988年生まれ。東京都出身。2001年、週刊朝日「‘01美少女モデル(表紙)」でデビュー。その後、数々のCMや雑誌等のモデルとして日本国内外で活躍しながら、近年では、SUNTORYオランジーナのCMなどで注目を浴びる。2009年から俳優として活動もスタート。女優としても杉田協士監督『ひとつの歌』(2012年)のヒロイン・桐子役で注目を浴びる。主な出演作は『葉子の結婚』(小出豊監督・2009年)、『森崎書店の日々』(日向朝子監督・2010年)、『水の足跡』 (金子雅和監督・2012年)、『横道世之介』(沖田修一監督・2013年)、 『ビューティフル・ニュー・ベイエリア・プロジェクト』(黒沢清監督・2013 年)。また今年、マーティン・スコセッシ監督『Silence(原題)』にも抜擢された。

澁谷麻美(深田幸子役)
1987年生まれ。鹿児島県出身。草野なつか監督作品としては短編『春はあけぼの』(映画美学校作品)など数作品に出演。主な出演作は『真夏の方程式』(西谷弘監督・2013年)、『清く柔く』(新城毅彦監督・2013年)、『スーパー・ヤング・チリ』(地主麻衣子監督・2013年)、ドラマ「深夜食堂3」(MBS・2014年)、『いたくても いたくても』(堀江貴大監督・2015年)など。透明感と独特な個性を併せ持つ、気鋭の新進女優。

中村邦晃(寛人役)
1985年生まれ、新潟県出身。『スペースポリス』(渡辺一志監督・2003年)にて映画デビュー。主な出演作は、『シベリア』(豊島圭介監督・2004年)、「隼」(市井昌秀監督・2005年)、『どんづまり便器』(小栗はるひ監督・2009年)、『隕石とインポテンツ』(佐々木想監督・2012年)、『Good Night Caffeine』(安達寛高監督・2015年)など。