『鉱 ARAGANE』小田香監督 タル・ベーラ監修
【上映スケジュール】
12/18(月)-12/22(金)
12/26(火)-12/29(金)連日19:00の一回上映
【予告】
【Introduction】
深い闇と鳴り響くノイズ
ボスニアの炭鉱、地下300メートルの異空間
ボスニア・ヘルツェゴビナ、首都サラエボ近郊、100年の歴史あるブレザ炭鉱。ヨーロッパ有数の埋蔵量を誇ると言われているこの炭鉱は、第二次世界大戦、ボスニア・ヘルツェゴビナ内戦を乗り越え、現在も操業を続けている。
荒涼とした地面の上に無造作に置かれた、汚れと錆びにまみれた巨大な重機が炭鉱の存在を知らせる。坑夫たちは黙々と昇降用ケージに乗り込み、地下深くの暗闇に消えていく。そして坑夫たちが降り立った地下300メートルの場所には、ただただ深い闇が広がっていた。
一筋のヘッドランプの光だけが映しだす、闇に蠢く男たち。爆音で鳴り続ける採掘重機と歯車、そしてツルハシの響き。死と隣り合わせのこの場所で、人は何を想い、肉体を酷使するのか。カメラは闇に蠢く男たちをひたすら見つめる。
ガス・ヴァン・サント、アピチャッポンが絶賛!!
伝説の映画作家 タル・ベーラ(『ニーチェの馬』)の荒ぶる遺伝子がここに、開花する
この知られざる地下世界を捉えたのはひとりの日本人だった。単身、カメラを持ち、坑夫と共に坑道に降り、その日々の労働を生々しく捉えた。
監督の小田香は、『ニーチェの馬』を最後に引退した伝説の映画作家タル・ベーラが後進の育成のために設立した映画学校【film.factory】で3年間学んだ。タル・ベーラ作品のごとく、まるでこの世界に存在するとは思えないような、光と闇そしてノイズにあふれた驚愕の映画空間をたったひとりで創り上げた。
それは瞬く間に評判を呼び、ガス・ヴァン・サントやアピチャッポン・ウィラーセタクンら、世界に名だたる映画人たちから絶賛された。
公式ホームページ
http://aragane-film.info
『なぜ、日本人監督の映画にこの錚々たる面子のコメントが書かれているのか?グローバル社会とは言ったものだが、こうした事態が普通のこととしてやり過ごされる2017年は如何なる年だったのか。映画内にある種のドキュメントとして恐怖の空間を作り上げた2人の巨匠が死んだ今年、、、なるほど、世界には光に先立って闇が存在しているのか。』プログラマー鈴木洋平